AI活用事例5選——中小企業で月120時間削減した方法

3Dデータ分析チャートとグラフのCGイメージ

「生成AI(人間のように文章や画像を作り出すことができるAI)、気になってはいるけれど、うちの規模で本当に使えるのかな」——そう感じている実務担当者の方へ。この記事では、従業員数十名規模の中小企業でのAI活用事例を5つ紹介します。共通点は「難しいツールをゼロから開発した」ではなく、「今ある作業を1つ置き換えた」という小さな一歩でした。

目次

「月120時間削減」は大企業だけの話ではない

調査が示す中小企業でのAI活用事例の実態

「AIを本格活用できているのはGAFAや大手メーカーだけ」——そんな印象を持っている方は少なくありません。ところが実際には、従業員30〜100名規模の中小企業でも、生成AIの導入によって月単位で目に見える時間削減を実現しているケースが増えています。

株式会社LiftBaseの調査・事例レポートによると、生成AIを業務に組み込んだ中小企業では、定型的な文書作成・情報整理・コミュニケーション業務の合計で月あたり100〜150時間の削減を報告する企業が複数確認されています。これは専任のIT部門がなくても、現場のスタッフが使いこなしているケースです。

「難しそう」という誤解が導入を遅らせている

実は、生成AIを使うのにプログラミングの知識は必要ありません。ChatGPTをはじめとするツールは、普通の日本語で話しかけるだけで動きます。

むしろ導入が進まない原因のほとんどは技術的な壁ではなく、「どの業務に使えばいいかわからない」というイメージの壁です。具体的な事例を見ることで、この壁は一気に低くなります。

中小企業のAI活用事例——現場で起きた5つの変化

【経理】月40時間 → 5時間——請求書・仕訳処理の自動化

愛知県で製造業の周辺機器を扱う従業員45名の会社。経理担当の森さん(30代)は、毎月末になると請求書の確認と仕訳入力で残業が続いていました。

「月末の3〜4日間は、それだけで頭がいっぱいでした。他の仕事は後回しにするしかなくて」

導入したのは、PDF形式の請求書をAIに読み込ませ、品目・金額・勘定科目(仕訳の分類先のこと)の候補を自動で出力する仕組みです。専用のシステム開発は行っておらず、ChatGPTの有料プランと既存の会計ソフトを組み合わせた形でした。

結果、月40時間かかっていた作業が5時間程度に。森さんが今、月末に何をしているかというと——「来期の予算資料を早めに作れるようになりました。ようやく先を見る仕事ができています」。

【マーケティング】LP制作3日 → 2時間——コピーとレイアウト案の生成

東京都内でWebマーケティング支援を行う従業員20名の会社。担当者の中田さんは、クライアント向けのランディングページ(LP:商品やサービスを紹介する1枚の特設ページ)の原稿作成に、毎回丸2〜3日を費やしていました。

「ゼロから書くのが一番しんどくて。最初の1行を考えるだけで半日使うこともありました」

商品情報や訴求したいターゲット像をAIに伝えると、キャッチコピーの候補、本文の構成案、見出しのバリエーションが数分で出てきます。あとは中田さんが修正・肉付けするだけ。LP制作にかかる時間が3日から2時間程度になりました。「最初からAIの文章をそのまま使うわけじゃない。でも”たたき台”があるだけで、全然違う」と中田さんは話します。

同レポート(LiftBase社調査)によると、議事録・定型メール・社内報告書といった「毎回似た形になる作業」でも同様の短縮効果が事例として紹介されています。会議の録音をAIで文字起こし・要約するだけで、1時間の作業が10〜15分になったという報告は複数の業種で見られます。

業務効率化に成功した会社の3つの共通点

最初に「時間のかかる作業」を1つだけ決めている

「社内全体でAI活用を推進する」という旗を立てた会社ほど、実は何も変わらないことが多いです。うまくいく会社はシンプルです。「まず経理の請求書処理だけ」「とりあえず議事録だけ」と、1つの作業を選んで試す

Excelの使い始めに「全関数を覚えよう」とは誰も思わないですよね。SUM(合計を出す関数)だけ覚えて使い始める。それと同じことです。

ツールを入れる前に「誰が使うか」を決めている

「とりあえず全員に使わせよう」という方針でスタートした会社ほど、誰も使わない状態に陥りがちです。うまくいく会社は「まずこの人が毎日使う」という1人を決めます。その1人が成果を出して「こんなに楽になりましたよ」と話すことで、周囲に自然と広がります。推進役は、まず使い続ける1人を育てることが先です。

完璧を求めず「7割クオリティで回す」と決めている

AIが出す文章は最初から完璧ではありません。でも、それでいいと割り切っている会社が成果を出しています。「AIが7割作って、人が3割仕上げる」という分業です。以前は人が10割作っていたわけですから、完璧を求めてAIを使わないより、7割で動かし続けるほうが圧倒的に前に進めます。

自社に置き換えてみる——今週試せる最初の1ステップ

まず洗い出す:自社で「繰り返している作業」のリスト

今週やることは1つだけです。紙でもメモアプリでもいいので、「毎週・毎月やっている作業を5〜10個書き出す」こと。

書き出したら、「この作業、毎回似たような内容になっていないか?」と問いかけてみてください。議事録・定型メール・報告書・マニュアル作成——こういった「毎回同じような形になる作業」が狙い目です。

無料から始める:コストゼロで試せるAIツール例

最初からお金をかける必要はありません。以下は無料プランから試せるツールです。

  • ChatGPT(無料版):文章の下書き・要約・アイデア出しに。まず試すならここ
  • Gemini(ジェミニ):Googleアカウントがあればすぐ使える文書要約・言い換えツール
  • Notion AI(ノーション):メモ・議事録管理と組み合わせて使いたい場合に

まずは「明日送るメールの下書き」をAIに頼むことから始めてみてください。使い方を覚えてから試すのではなく、試しながら覚えるのがこの分野では圧倒的に早い方法です。

まとめ

月120時間という数字は、最初から大きな目標を掲げた会社が作り出したものではありません。「経理の請求書処理を1つ改善した」「LP制作のたたき台をAIに任せた」——そんな小さな積み重ねが、気づけば月100時間以上の変化になっていました。

始める前から完璧を目指す必要はありません。今週、自社の「繰り返し作業リスト」を作るだけで、あなたの会社の1ステップは始まります。

著者:フロンテラ合同会社(編集部)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次